癌細胞の性格は...
再発が分かった時、腫瘍内科医に遺伝子パネル検査を
やりたいのですが〜とお願いしました。標準治療が
万が一効かなかった場合のバックアップとして
他の治療法があることを知っておきたかったためです。
一番心配していたのは費用のことなんですが💦
自腹でもいいやっ!と腹をくくっておりましたら
幸い保険がカバーしてくれてホッとしました😹
そして待つこと3週間...
主治医のもとに結果がファックスで送られてきて
それをコピーしたものをいただきました。
本当はエレクトロニックファイルで欲しかったけど。
でもすぐに見れたのでありがたいです!
恐る恐る...でもなんだかワクワクして結果を
見てみると...
お〜ありました!ホルモン陽性Her2陰性乳癌の
半数近くに見られるというPIK3CAという遺伝子の
変異が!残念なことにこの遺伝子変異があると
予後が悪い(抗がん剤が効きにくい)のですが
幸い分子標的薬が存在し、最近FDAから承認を
受けてます。
治験の結果によると、この分子標的薬はミラクル
ドラッグではないのですが、無憎悪生存期間を
延長できたということです。ただし... 日本人患者
グループにおいては副作用が出やすく、低用量での
投与であったためか統計学的に有意差が出なかった
とかで追加治験。
う〜む...
PIK3CA以外にも複数の遺伝子異常が見つかりました。
個々の遺伝子がどのような働きをしているのか、
細胞の癌化にどんな風に影響を及ぼしてきたのか
一つ一つ調べていったのですが、な〜んか全体像が
つかみたいな〜と考え、これらの遺伝子の相互作用を
見てみることにしました。
下図がインタラクトーム解析結果です。
全体の拠点となっている遺伝子はTP53であることが
分かりました。TP53は癌抑制のマスター遺伝子。
多くの癌でこの遺伝子の異常が見られます。
細胞の癌化を促進する原因として:
1)癌遺伝子の異常により細胞増殖にアクセルがかかる。
2)癌抑制遺伝子の異常により細胞増殖にブレーキが
かかりにくくなる。細胞死が起きにくくなる。
という二つの大きなファクターがありますが、
私の癌の場合、どうも2)の影響が強そうな像が
浮かび上がってきました。
私の癌細胞が抗がん剤治療を生き延びたのにも
納得だ〜。増殖がものすごく早いというわけでは
ないけど、とにかく死ににくい... したたかで
しぶとい性格のヤツって感じですねぇ。
願わくば全ての癌細胞が手術と放射線治療で
いなくなっていて欲しいのですが、細胞死を
制御しているマスター遺伝子に異常があるので
放射線治療をも生き延びることができたんじゃないか
私の癌細胞は...とちょっと不安を感じます。
どうかどうか癌細胞が全滅してますように〜🙇♀️